アメリカ競馬 種牡馬ベスト10 リーディングサイアー2021
今回は現在のアメリカ競馬で活躍する種牡馬を紹介します。
参考に取り上げるのが昨年2021年のリーディングサイヤーランキングです。
著名な馬を重点的に紹介するため上位10頭に絞ってみました。
「ダート主流だから日本とは無縁」ということは一切なく、多くの日本馬には米国馬の血統が混ざっています。
この記事でアメリカ競馬への興味や知識を増やしてみてください!
【目次】
- アメリカ競馬 種牡馬ベスト10 リーディングサイアー2021
【 2021年 米リーディングサイヤー 】
馬名 | 獲得賞金 | 出走頭数 | 勝利頭数 | 重賞馬 | GⅠ馬 | 代表産駒 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 |
イントゥミスチーフ (Into Mischief) |
$23,683,894 | 423 | 243 | 13 | 4 | Mandaloun($1,560,000) |
2 |
カーリン (Curlin) |
$14,969,477 | 236 | 116 | 13 | 5 | Malathaat($1,563,000) |
3 |
マニングス (Munnings) |
$13,273,293 | 287 | 116 | 7 | 3 | Munnyfor Ro($548,561) |
4 |
タピット (Tapit) |
$12,855,883 | 226 | 111 | 10 | 2 | Essential Quality($3,420,000) |
5 |
ペインター (Paynter) |
$12,282,112 | 187 | 117 | 1 | 1 | Knicks Go($5,824,140) |
6 |
アンクルモー (Uncle Mo) |
$11,771,828 | 226 | 140 | 7 | 2 | Golden Pal($706,000) |
7 |
ハードスパン (Hard Spun) |
$11,399,702 | 247 | 136 | 4 | 2 | Silver State($1,693,000) |
8 |
トゥワーリングキャンディ (Twirling Candy ) |
$10,954,611 | 253 | 145 | 5 | 3 | Rombauer($890,000) |
9 |
ストリートセンス (Street Sense) |
$9,965,492 | 229 | 114 | 5 | 3 | Maxfield($1,512,550) |
10 |
コンシティトゥーション (Constitution ) |
$9,885,514 | 188 | 105 | 7 | 1 | Americanrevolution($941,750) |
1位 イントゥミスチーフ
父 Harlan's Holiday (2005年生 17歳)
3年連続リーディングサイアーに君臨中
イントゥザミスチーフ(Into Mischief) は現在のアメリカで最も優れた種牡馬です。
2019年以降、3年連続でリーディングの座に立っています。
2021年の年間獲得賞金は2368万ドル。前年に自身が更新した史上最高記録を再び更新しました。
半妹にGⅠ11勝のビホルダー(父ヘニーヒューズ)、半弟にBCジュヴェナイルターフ・UAEダービー勝ち馬のメンデルスゾーンがいる超良血の一家です。
現役時はケガでGⅠ未勝利に終わりましたが、2009年より種牡馬入りすると、初年度産駒73頭の中からGⅠ馬を含む9頭のステークス勝ち馬を輩出。少ない産駒数を考慮すると、9頭という数は驚異的な数字でした。
この成績に加え、父の死やビボルダーの活躍で需要が高まり、数年後には年間200頭以上を種付けする人気種牡馬となりました。
代表産駒
・ライフイズグッド
現役馬トップの呼び声高いライフイズグッド。2021年のBCダートマイルを制覇すると、今年初戦でペガサスWCを制しました。ドバイワールドカップへの参戦も予定されていてダート界を牽引する世界的なスターホースになろうとしている。
・マンダルーン
父の産駒として初めてのケンタッキーダービー馬となったマンダルーン。メディナスピリットの件で煮え切らない勝利であったため、今年は強さを証明するためさらなる活躍が期待されている。
2位 カーリン
父 Smart Strike(2004年生 18歳)
米史上初1000万ドルホースが種牡馬としても成功
カーリン( Curlin )は現役時も米競馬史に残る活躍をした名馬でした。
主に勝ち鞍には3歳でのBCクラシックやブリークネスSの制覇やドバイWCで7馬身以上の大差勝ちなどがあります。
これらの活躍で米競馬史上初1000万ドルの賞金を稼ぎました。
種牡馬としても初年度産駒からGⅠベルモントSを制したパレスマリス(Palace Malice)など多くの後継を輩出しています。
代表産駒
・Vino Rosso / ヴィーノロッソ
2015年生 15戦6勝 主な勝鞍:BCクラシック(2019)
・Malathaat / マラサート
2018年生 8戦6勝 主な勝鞍:ケンタッキーオークス(2021)
3位 マニングス
父 Speightstown(2006年生 16歳)
短距離路線で活躍するスプリンター
マニングス(Munnings)は米短距離界で活躍馬を多く輩出しています。
BCスプリントを制したスパイツタウン(Speightstown)を父に持ち、自身も現役時代は短距離重賞を3勝しています。
2021年は2歳牡馬ジャッククリストファーがデビュー2戦目でGⅠシャンパンステークスを制し、22年はさらなる活躍が期待されています。
代表産駒
・ジャッククリストファー
2019年生 2戦2勝(現役) 主な勝ち鞍:シャンパンステークス
・イーダ(Eda)
2019年生 7戦5勝(現役) 主な勝ち鞍:スターレットステークス
4位 タピット
父 Pulpit(2001年生 21歳)
長く米競馬界を牽引する大種牡馬
タピット(Tapit)は現在21歳ながら現役で活躍するアメリカを代表する種牡馬です。
父は3冠馬シアトルスル―の血を引くプルピット(Pulpit)、母は近親に最優秀短距離馬ルビアーノ(Rubiano)やストームバードがいるタップユアヒールズ(Tap Your Heels)と超良血馬です。
現役時は肺の感染症や足の腫瘍の影響で十分な活躍は出来ませんでしたが、種牡馬としては、初年度から2歳馬リーディングサイヤーになると、2014~16年にはリーディングサイヤーに輝きました。
現役時は出走が叶わなかったGⅠベルモントSですが、種牡馬としては4頭のウィナーを輩出する相性の良いレースとなっています。
代表産駒
・エッセンシャルクオリティ
2018年生 10戦8勝(現役) 主な勝鞍:ベルモントS(2021)・BCジュヴェナイル(2020)
・クリエイター
2013年生 12戦3勝 主な勝ち鞍:ベルモントS(2016)・アーカンソーダービー(2016)
5位 ペインター
父Awesom again(2009年生 13歳)
大物の輩出でランキング急上昇中!
リーディングサイヤーのランキングで近年急上昇しているのがペインター(Paynter)です。
2019年は32位、2020年は19位と徐々に順位を上げて、昨年は5位にランクインしました。
その原動力となっているのがニックスゴー(Knicks Go)です。
ニックスゴーは昨年BCクラシックやペガサスWC、2020年BCダートマイルで1着になっています。
ペインターは父がBCクラシックを制したアウェサムアゲイン(Awesome again)、母ティズソー(Tizso)はBCクラシックを2度制したティズナウ(Tisnow)の全姉と超良血馬です。
年齢も13歳とまだ若く、今後もダート中距離路線で活躍馬の輩出が期待されます。
代表産駒
・ニックスゴー(Knicks Go)
2016年生 25戦10勝 主な勝ち鞍:BCクラシック・ペガサスWC(2021)
6位 アンクルモー
非主流の血統で今後に期待される
アンクルモー(UncleMO)は米競馬の主流であるミスタープロスペクター(Mr.prospecter)やエーピーインディ(APIndy)の血を持たないため重宝されています。
現役時代は健康不良でクラシックを断念したが、BCジュヴェナイルを制した2歳時の走りは管理するプレッチャー調教師により「どの馬よりも素晴らしかった」と評されました
初年度産駒から8戦無敗のケンタッキーダービー馬であるナイキスト(Nyquist)を輩出し、今後もさらなる大物の登場が期待されます。
代表産駒
2013年生 11戦8勝 主な勝ち鞍:ケンタッキーダービー(2016)・BCジュヴェナイル(2015)
7位 ハードスパン
父 Danzig(2004年生 18歳)
日本でも活躍馬を輩出する快足馬
ハードスパン(Hard span)は大種牡馬ノーザンダンサーの後継であるダンジグ(Danzig)を父に持ち、その血を現代に継承しています。
現役時代は同世代のカーリンやストリートセンスに惜敗が続きますが、短距離1400mのキングズビショップステークスでGⅠを勝利しました。
産駒もマイルやスプリントなど短距離路線での活躍馬が目立ちます。
日本では父として中京記念を制したメイケイダイハードを、母父としてはGⅠ馬ダノンスマッシュを輩出しています。他にもオーストラリアのGⅠ馬も輩出するなど国際的に成功を収めています。
代表産駒
・アロハウエスト(Aloha West)
2017年生 9戦5勝 主な勝ち鞍:BCスプリント(2021)
・スパントゥラン(Spun to Run)
2016年生 12戦5勝 主な勝ち鞍:BCダートマイル(2019)
8位 トゥワーリングキャンディ
父 Candy ride(2007年 15歳)
父 Candy rideはアルゼンチンでデビューした異色の経歴ながら、キャリア6戦全勝でいずれも楽勝勝ちと期待されながらケガにより引退した伝説的な名馬です。
その才能はトゥワーリングキャンディ(Twirling Candy)やガンランナー(Gun runner)といった産駒に引き継がれました。
トゥワーリングキャンディは現役時代に3歳短距離路線の重要レースであるGⅠマリブステークスをレコードで制しました。
ブリークネスステークスを制したロンバウアー(Rombauer)やデルマーフューチュリティを制したパインハーストがいます。
代表産駒
ロンバウアー(Rombauer)
2018年生 8戦3勝 主な勝ち鞍:GⅠプリークネスステークス(2021)
パインハースト(Pinehurst)
2019年生 5戦3勝 主な勝ち鞍:GⅠデルマーフューチュリティ(2021)
9位 ストリートセンス
歴史的名牝を輩出した父の後継馬
ストリートセンス(Street sense)は現役時にBCジュヴェナイルを10馬身差で圧勝し、翌年のケンタッキーダービーも制した最強馬です。同世代のカーリンやハードスパンら最強世代の一角を成しました。
父ストリートクライ(Street cry)は2002年ドバイワールドカップを制しており、種牡馬としては、当馬以外にもデビュー19連勝を記録した名牝ゼニヤッタ(Zenyatta)や豪GⅠ25勝の名牝ウィンクス(Winx)などを輩出している。
ストリートセンスも2017年の産駒であるマックスフィールド(Maxfield)がGⅠブリーダーズフューチュリティを制すなど父の後継種牡馬として活躍している。
代表産駒
マックスフィールド(Maxfield)
2017年生 11戦8勝 主な勝ち鞍:GⅠブリーダーズフューチュリティ(2019)・GⅠクラークステークス(2021)
マッキンジー(McKinzie)
10位 コンシティトゥーション
父Tapit (2011年生 13歳)
初年度でベルモントSを制覇した期待の若手種牡馬
コンシティトゥーション(Constitution )は今も種牡馬として活躍するタピット(Tapit)の産駒で、現役時代は3歳時にフロリダダービーを、古馬になりドンハンデキャップを制しGⅠ2勝を挙げました。
初年度産駒のティズザロウ(Tiz the Low)が2019年のベルモントステークスを制覇しました。その前にフロリダダービーの父子制覇も達成しています。
その他にもアメリカンレボリューション(Americanrevolution)が2021年にGⅠシガーマイルハンデキャプを制するなど、種牡馬として歴が浅い中で活躍馬を輩出しています。
代表産駒
ティズザロー(Tiz the Law)
2017年生 9戦6勝 勝ち鞍:ベルモントステークス(2019)・フロリダダービー(2019)