ブリーダーズカップ(BREEDERS'CUP)2022
◆◆この記事に書いてある内容◆◆
今年はキーンランド競馬場が舞台となるブリーダーズカップ。2日間で14のGⅠレースへ、北米を中心に欧州や日本、その他各国からトップホースが集結し、熱戦が繰り広げられます。昨年、マルシュロレーヌとラヴズオンリーユーが日本馬として初めてブリーダーズカップを制覇。今年も日本馬の活躍が期待されています。
レース日程(schedule)
※表記は全て日本時間。現地では金・土開催ですが、日本は半日以上時間が早いため土日の早朝になります。また表記はあくまでも予定の時間のためズレる可能性もあります。
出走馬一覧(Entry)
※オッズは枠確定時(11月1日)のものです。
【開催地】キーンランド競馬場
競馬の町レキシントンにある競馬場
所在 |
レキシントン (ケンタッキー州) |
---|---|
コース | ダート・芝 |
形状 | 楕円形(左周り) |
周回 | ダート:7/16マイル(1709.9m) 芝:7ハロン(1408.2m) |
キーンランド競馬場はケンタッキー州のレキシントンにある競馬場です。
規模は小さいですが、レースだけでなくキーンランドセール(競り市)も有名で、世界的にみても競馬が盛んな土地です。
ダートコースは1周1709.9m。大井競馬場のコース(外回り)は1周1600mなので、大井競馬場より1周り大きいくらいです。
芝は1周7ハロンとかなり小回り。JRAの10競馬場の芝コースは、短くても1周1600mほどはあるため、日本にでは経験が出来ないコースと言えます。(参考:東京競馬場Aコースが1周2083m・中京競馬場Aコースが1周1705m)
ただ、昨年ブリーダーズカップが開催されたデルマー競馬場も同様の規模です。そこで日本馬は2勝しているので、懸念材料にはならないでしょう。
BCの開催は2年ぶり3度目
キーンランド競馬場でのブリーダーズカップは2015年、2020年に続く3度目の開催となります。
初開催となった2015年は、3冠馬アメリカンファラオがBCクラシックを制しました。
当初、町やコースが小規模である故に、開催地として懐疑的な意見も多かったそうですが大盛況に終わり、今回で3回目の開催です。
由来は”キーン(人名)の土地”
キーンランド競馬場は1936年にジャックキーンという人物によって建設されました。
この人物の父親(ジェイムス・ロバート・キーン)は19世紀後半に活躍した大馬主で、ブリークネスSを6勝したり、アメリカ馬で初めてパリ大賞を制しています。
注目レースピックアップ
クラシック(CLASSIC)
◆◆レース展望◆◆
今年のBCクラシックは競馬史に残る1戦が予感される。1人気は世界ランキングトップのフライトライン。対するは3歳世代代表のエピセンター、そして今年ペガサスWCを制するなど実績No1のライフイズグッド。この3頭は互いに1度も対決したことがない。3頭ともに当然このレースに照準を合わせているはず。ベストの状態で3頭が対決した時、先頭でゴールするのはいったいどの馬なのか?
基本情報
コース |
ダート2000m |
---|---|
条件 | 3歳以上 |
賞金 | 6,000,000ドル |
昨年 勝ち馬 |
ニックスゴー (KNICKS GO) |
【オッズ】人気馬 TOP5
オッズ | 馬名 | 性 | 歳 | 人気 |
---|---|---|---|---|
1.72 | Flightline | 牡 | 4 | 1 |
6.0 | Life Is Good | 牡 | 4 | 2 |
7.0 | Epicenter | 牡 | 3 | 3 |
10.0 | Taiba | 牡 | 3 | 4 |
11.0 | Olympiad | 牡 | 4 | 5 |
注目馬
出走予定馬を確認する(9頭)
- ライフイズグッド(LIFE IS GOOD)
Into Mischief | Harlan's Holiday |
---|---|
Leslie's Lady | |
Beach Walk | Distorted Humor |
Bonnie Blue Flag |
- エピセンター
Not This Time | Giants Causeway |
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Miss Macy Sue | |
Silent Candy | Candy Ride |
Silent Queen |
- フライトライン
Tapit | Pulpit |
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Tap Your Heels | |
Feathered | Indian Charlie |
Receipt |
- カントリーグラマー
Tonalist | Tapit |
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Settling Mist | |
Arabian Song | Forestry |
Prima Centauri |
ターフ(TURF)
◆◆レース展望◆◆
毎年のように欧州からビッグネームが参戦する当レース。今年はGⅠ4勝馬ミシュリフが出走を予定している。もし実現すれば間違いなく実力優位。ここで制したら5か国でのGⅠ制覇となる。対するはケンタッキーターフカップを制したレッドナイトやグーフォなどの現地勢。一昨年、昨年と2年連続で欧州馬が制しているが、3年ぶりのBCターフ奪還へ海外勢を返り討ちできるか?
基本情報
コース |
芝2400m |
---|---|
条件 | 3歳以上 |
賞金 | 4,000,000ドル |
昨年 勝ち馬 |
イビアー (YIBIR) |
【オッズ】人気馬TOP5
オッズ | 馬名 | 性 | 歳 | 人気 |
---|---|---|---|---|
3.5 | Rabels Romance | 4 | 騙 | 1 |
4.5 | Nations Pride | 3 | 牡 | 2 |
7.0 | Mishriff | 5 | 牡 | 3 |
7.0 | War Like Goddes | 5 | 牝 | 4 |
13.0 | Stone age | 3 | 牡 | 5 |
注目馬
馬名 | 国 | 調教師 |
---|---|---|
英 | J. Gosden | |
米 | W. Mott | |
英 | S. Stoute | |
英 | C. Appleby | |
愛 | A. O'Brien | |
愛 | A. O'Brien | |
Highland Chief | 米 | H. Motion |
Master Piece | 米 | M. McCarthy |
Kitodan | 米 | E. Foster |
Virginia Joy | 米 | C. Brown |
Bye Bye Melvin | 米 | H. Motion |
Nautilus | 米 | N. De |
- イビアー(YIBIR)
Dubawi | Dubai Millennium |
---|---|
Zomaradah | |
Rumh | Monsun |
Royal Dubai |
- 【回避】パイルドライバー(Piledriver)
Harbour Watch | Acclamation |
---|---|
Gorband | |
La Pyle | Le Havre |
Lidana |
- ブルーム(Bloom)
Australia | Galileo |
---|---|
Ouija Board | |
Sweepstake | Acclamation |
Dust Flicker |
ディスタフ(DISTAFF)
◆◆レース展望◆◆
昨年は日本馬マルシュロレーヌが最低人気の中大波乱を演出した牝馬中距離No1決定戦。今年はアメリカンオークス・アラバマSとGⅠ2連勝中の3歳牝馬ネスト(Nest)の抜けた人気が予想されている。キャリアで3着を外したことがないネストだが、これまで大一番で2,3着に敗れた経験もある。その隙を狙うのが、昨年3着のマラサート(Malathaat)やケンタッキーオークスでネストを破った3歳馬シークレットオース(Secret Oath)。今年はどんな結末が待っているか?
基本情報
コース |
ダート1800m |
---|---|
条件 | 3歳以上牝馬 |
賞金 | 2,000,000ドル |
昨年 勝ち馬 |
マルシュロレーヌ (MARCHE LORRAINE) |
【オッズ】人気馬TOP5
オッズ | 馬名 | 性 | 歳 | 人気 |
---|---|---|---|---|
2.37 | Nest | 牝 | 3 | 1 |
4.33 | Malathaat | 牝 | 4 | 2 |
7 | Society | 牝 | 3 | 3 |
9 | Clariere | 牝 | 4 | 4 |
9 | Search Resalts | 牝 | 4 | 5 |
注目馬
馬 | 国 | 調教師 |
---|---|---|
Nest ネスト |
米 | T. Pletcher |
Letruska |
米 | F. Gutierrez |
米 | T. Pletcher | |
Society ソサエティ |
米 | S. Asmussen |
米 | D. Lukas | |
Blue Stripe ブルーストライプ |
米 | M. Polanco |
Search Results サーチリザルツ |
米 | C. Brown |
Clairiere |
米 | S. Asmussen |
- シークレットオース(Secret Oath)
Arrogate | Unbridleds Song |
---|---|
Bubbler | |
Absinthe Minded | Quiet American |
Rockford Peach |
- ネスト(Nest)
Curlin | Smart Strike |
---|---|
Sherriff's Deputy | |
Marion Ravenwood | A. P. Indy |
Andujar |
- ブルーストライプ(Blue Stripe)
Equal Stripes | Candy Stripes |
---|---|
Equity | |
Blues For Sale | Not For Sale |
Key Cure |
フィリーメアターフ(F & M TURF)
◆◆レース展望◆◆
注目はナシュワ。英オークス3着後、ディアヌ賞・ナッソーステークスを連勝など、今年の欧州牝馬限定GⅠでトップの成績を残したトップホースだ。管理するジョンゴスデン調教師も出走に前向きの様子。もし出走回避となった場合は一気に混戦ムードになるだろう。
基本情報
コース | 芝1900m |
---|---|
条件 | 3歳以上牝馬 |
賞金 | 2,000,000ドル |
昨年 勝ち馬 |
ラヴズオンリーユー (Loves Only You) |
【オッズ】人気馬TOP5
オッズ | 馬名 | 性 | 歳 | オッズ |
---|---|---|---|---|
3.0 | Nashwa | 牝 | 3 | 1 |
7.0 | Above The Curve | 牝 | 3 | 2 |
8.0 | In Italian | 牝 | 4 | 3 |
9.0 | Tuesday | 牝 | 3 | 4 |
11.0 | Virginia Joy | 牝 | 5 | 5 |
注目馬
- ナシュワ(NASHWA)
Frankel | Galileo |
---|---|
Kind | |
Princess Loulou | Pivotal |
Aiming |
- ラプティットココ(LA PETITE COCO)
Ruler of the World | Galileo |
---|---|
Love Me True | |
La Petite Virginia | Konigstiger |
La Virginia |
- リーガルグローリー(REGAL GLORY)
Animal Kingdom | Leroidesanimaux |
---|---|
Dalicia | |
Mary's Follies | More Than Ready |
Catch The Queen |
ダートマイル(Dirt MILE)
◆◆レース展望◆◆
フライトラインやライフイズグッドがBCクラシックへ進む予定。もしその通りになれば、人気になるのはジャッククリストファーだろう。キャリア6戦5勝。唯一敗れたハスケルステークスを1800mの距離延長が敗因と考えれば、マイル路線では完璧なレース成績だ。その他、コディズウィッシュ(Cody's Wish)やローレルリバー(Laurel River)などはBCスプリントと両にらみ。本番1カ月をきるも出走馬はまだ明確になっていない。
基本情報
コース |
芝1600m |
---|---|
条件 | 3歳以上 |
賞金 | 2,000,000ドル |
昨年 勝ち馬 |
スペースブルース (SPACE BLUES) |
【オッズ】人気馬TOP5
オッズ | 馬名 | 性 | 歳 | 人気 |
---|---|---|---|---|
3.25 | Jack Christopher | 牡 | 3 | 1 |
4.5 | Cody’s Wish | 牡 | 4 | 2 |
4.5 | Cyberknife | 牡 | 3 | 3 |
7.0 | Laurel River | 牡 | 4 | 4 |
11.0 | Senor Buscador | 牡 | 4 | 5 |
注目馬
- フライトライン(Flight Line)
Tapit | Pulpit |
---|---|
Tap Your Heels | |
Feathered | Indian Charlie |
Receipt |
- ジャッククリストファー(JACK CHRISTOPHER)
Munnings | Speightstown |
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La Comete | |
Rushin No Blushin | Half Ours |
Blushing Ogygian |
- スピーカーズコーナー(Speaker's Corner)
Street Sense | Street Cry |
---|---|
Bedazzle | |
Tyburn Brook | Bernardini |
Round Pond |
日本馬の出走予定
2年連続日本馬BC制覇なるか!?
2021年に日本馬として初めてブリーダーズカップを制したマルシュロレーヌ(DISTAFF)とラヴズオンリーユー(F&M)。昨年の勢いのまま、今年も日本馬の活躍に期待したいところです。
ブリーダーズカップへの遠征を予定している日本馬は、現段階ではチェーンオブラブの1頭。他に候補に挙がっていたソングライン・ドウデュース・ソダシは回避となりました。以下で紹介します。
(出走)チェーンオブラブ
ハーツクライ | サンデーサイレンス |
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アイリッシュダンス | |
フェアエレン | Street Cry |
Palais Versailles |
調教師 | 美浦 小笠倫弘 |
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生産者 | ノースヒルズ |
馬主 | 前田幸治 |
通算成績 | 22戦3勝 |
主な勝ち鞍 |
2022 安田記念 |
前走 | 9/10 エニフS 1着 |
次走 |
11/6(日本時間) BCF&Mスプリント |
出走を予定していたソングライン等の有力馬が回避する中、前田幸治さんが所有するチェーンオブラブが出走を表明しました。
出走するレースはブリーダーズカップフィリーメアスプリント。日本時間6日未明に行われます。
今年春にはサウジ・ドバイへ遠征したチェーンオブラブ。この経験がアメリカ遠征には必ず活きてくるでしょう。
(回避)ソングライン 牝4
キズナ | ディープインパクト |
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キャットクイル | |
ルミナスパレード | シンボリクリスエス |
ルミナスポイント |
調教師 | 栗東 林徹 |
---|---|
生産者 | ノーザンファーム |
馬主 | サンデーレーシング |
通算成績 | 11戦5勝 |
主な勝ち鞍 |
2022 安田記念 |
前走 | 6/5 安田記念 1着 |
次走 |
9/1セントウルS ⇒ 11/5 BCマイル |
1頭目は今年の安田記念を制したソングラインです。
安田記念は2016年からブリーダーズカップチャレンジの該当レースとなっているため、勝ち馬にはブリーダーズカップ・マイルへの優先出走権が与えられます。
もちろん出走権を持っているだけでなく、ソングラインに関しては、関係者が出走へ意欲的な発言をしています。
記事の通り、サンデーレーシングの吉田俊介代表は「出走を前向きに検討しています。セントウルS(9月11日・中京)を使って、速い流れを経験させてから渡米したい」コメントしています。
ソングラインは阪神Cと桜花賞で15着と大敗していて右回りを大の苦手としています。
そのため国内に残りマイルCSよりも、左回りのアメリカ競馬へ遠征をしたほうが間違いなく良いと思います。
今春ドバイで1351ターフスプリントを制し世界レベルを証明しています(同レース11着の欧州馬Naval Crownは、後にGⅠジュライカップ2着)。ブリーダーズカップでも十分に勝ち負けが期待できる存在です。
(回避)ドウデュース 牡3
ハーツクライ | サンデーサイレンス |
---|---|
アイリッシュダンス | |
ダストアンドダイヤモンズ | Vindication |
Majestically |
調教師 | 友道康夫 |
---|---|
生産者 | ノーザンファーム |
馬主 | キーファーズ |
通算成績 | 6戦4勝 |
主な勝ち鞍 |
2022東京優駿 2021朝日杯FS |
前走 | 5/29 東京優駿1着 |
通算成績 | 9/11 ニエル賞 |
2頭目はドウデュースです。
昨年の朝日杯につづき、今年の日本ダービー制した2022年世代のトップホースです。武騎手×キーファーズのコンビは海外志向が強く、今秋の欧州遠征がすでに決定しています。
秋の大目標はもちろん凱旋門賞。そのためブリーダーズカップへの参戦は未定ですが、以下の記事では、その可能性をほのめかしています。
まずは凱旋門賞でのベストパフォーマンスをなにより期待したいですが、さらにブリーダーズカップへ挑戦してくれたら、本当に夢みたいな海外遠征です!
まだ決定はしたわけではないですが、凱旋門賞からブリーダーズカップちょうど1カ月あるので欧州でも一般的なローテですし、十分に出走の可能性はあるかと思います。
(回避)ソダシ 牝4
クロフネ | フレンチデピュティ |
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ブルーアヴェニュー | |
ブチコ | キングカメハメハ |
シラユキヒメ |
調教師 | 栗東 須貝尚介 |
---|---|
生産者 | ノーザンファーム |
馬主 | 金子真人HD |
通算成績 | 11戦7勝 |
主な勝ち鞍 |
2020 阪神JF 2021 桜花賞 2022 ヴィクトリアM |
前走 | 5/15 ヴィクトリアM 1着 |
次走 |
8/21 札幌記念 |
3頭目はソダシです。こちらは上記2頭と比べ出走の可能性は低いです。
ただ、今春ヴィクトリアマイルを制し、ソングライン同様にブリーダーズカップへの郵送出走権(BC F&M)が与えられています。
陣営はすでに「秋はマイルCSを目標に」とコメントしているため、国内専念が濃厚ですが、世界で1頭しかいない白毛のGⅠ馬ソダシがブリーダーズカップへ参戦するとなれば、現地も大盛り上がりでしょう。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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