昨日行われたジャパンカップはご存じの通り「3冠馬復活」でコントレイルが有終の美を飾りました。
いやぁーーハッピーエンドで良かった。
無敗の3冠馬として歴史に残る存在ですから。「古馬になってからイマイチだった。。」と記憶されてしまっては観てられないですし、昨日はこれ以上ない結果だったのではないでしょうか。
ですが、天邪鬼な自分からすると、「やっぱ3冠馬は強ぇなぁ。良かった良かった」と片付けられないモヤモヤがあります。
だってコントレイルには、漠然としてますが「もっと凄いもの」を期待してたんです。
それこそ無敗で菊花賞を勝った時は「ディープインパクトみたいな馬がとうとうでてきた!」と考えていましたから。。
皆さんはいかがですか?
私見ですが、コントレイルの調子を狂わせたと考えているのがGⅠ大阪杯です。
大雨の影響により重馬場で行われ、追い上げ叶わず3着に敗れました。
この敗戦を機に、コントレイルの完璧なストーリーにほころびが生まれたと考えています。「何を今さら」という感じですが、どうしても引っかかってしまうんですよね(笑)
この記事では「大阪杯の出走でコントレイルに何がおこったか?」「あのレースを避けることはできなかったのか?」について考察してみたいと思います。
大阪杯後、痛すぎる「春全休」
大阪杯の内容を振り返る前に、まずは「大阪杯後コントレイルにでた影響」を整理してみます。
第一にあげられるのは、「馬体への負担」です。これにより大阪杯後「春全休」が余儀なくされました。本来なら少なくとも宝塚記念にでて2戦。さらに言えば、その前に天皇賞春、もしくは香港といったプランも考えられました。
「無敗の3冠馬」ですから、翌年の春に活躍する姿を誰もがのぞんでいます。やはり今考えても春に1戦しか走らないと言うのは寂しすぎると思いませんか?
この「全休」により実現しなかったこと。それはそのことによりアーモンドアイ引退後、実質日本競馬界トップだったクロノジェネシスとの直接対決です。
クロノジェネシスは2020年に春秋グランプリ制覇。有馬記念を制した後には当年に生まれた2頭の3冠馬との対決へ前向きでした。
「勝ててうれしかったですし、ホッとしました。馬が強くなっているのは間違いありませんが、メンタルの成長が大きいと思います。未対戦の3冠馬2頭がいますが、来年主役としてやっていけたらと思います」
しかし、唯一の舞台に見られた宝塚記念をコントレイルが回避したため対決は最後まで実現しませんでした。
「大阪杯の疲れが抜けず、万全の態勢で迎えられない。秋の天皇賞(10月31日・東京)に万全の状態で向かいたい」
宝塚記念記念回避 矢作師 コメント
また、春の成績次第では海外遠征の可能性もありました。父ディープインパクトとの2世代無敗の3冠馬ですから、もちろんあのレースに挑戦するシナリオは誰もが想像したと思います。
しかし、そんな話が上がることもなく早々に「4歳国内専念で引退」と発表。
大阪杯後にでた馬体への負担により、実現するはずだったイベントが観られなかったという点はなんとも惜しいものです。
そして、第二に挙げられるのが天皇賞秋が半年以上の休み明けになってしまったことです。
現在は外厩仕上げによりステップレースを使わずとも十分に仕上げられる時代です。
現にレース前段階で「状態は完璧」と評されました。
しかしスタートが上手じゃないコントレイル。久々のレースで欠点はもろにでて、先行有利だった馬場で、後方からの競馬が余儀なくされました。
案の定、天皇賞秋では出遅れて位置取りが後方に。結果3歳馬エフフォーリアに1馬身届かず2着の敗戦でした。
今さら何を言っても後の祭りですが、もし春に1,2レース多く経験を詰めれば、こういった苦手も克服できていたかもしれません。
天皇賞秋「スタートは練習していたのですが、ゲートの中の体勢が良くなかったです。それでも上手く出てはくれましたが、理想は勝ち馬のポジションで、スタートを上手に切ることが必須条件ですからね。 道中はタメがきき、最後もいけると思ったのですが、あと100mで差が詰まらず、苦しくなって内にモタれる仕草を見せていました。休み明けでも状態は素晴らしかったですし、ゲート以外は良かったです。なんとしても勝ちたい気持ちがあったのですが...」
大雨の大阪杯で何が起こったか?
あの日何が起こったのか?
端的に言えば、「大荒れの馬場で本来の走りができない上、大きなダメージを受けた」ということです。
あの日のコントレイルは4歳緒戦。最大の敵アーモンドアイが引退しただけあり絶対に負けられないレースでした。
出走馬のラインナップは豪華そのもの。
共にクラシックを戦ったサリオスとの再戦や、1歳上のマイル女王グランアレグリアとの初対決。さらにこのレースを制することになるレイパパレといった個性派もそろい日本競馬を代表する競走馬が揃いました。
しかし、そんな中でもコントレイルの評価は抜けており単勝1.8倍と圧倒的支持を受けていました。
最終追切となった2021年3月31日(水) には、栗坂 良で4F 50.6 1F 12.3のタイムをだしました。
3冠をとった菊花賞の最終追切が4F52.5 1F12.9ですから、その仕上がりは緒戦でありながら完璧。勝利へのこだわりは明白に表れていました。
しかし当日、あいにくの天気がコントレイルの邪魔をします。
1レース目から曇天。それも今にも雨粒が落ちてきそうな様子です。
午前中は耐えていましたが、そしてレースまで3時間を切ったあたりで、雲も我慢の限界を迎えます。とうとう雨が降り始めました。
馬場も良⇒稍⇒重と変わっていき本番を迎えました。
結果はご存じの通りコントレイルは3着に敗退。
重馬場ながら1000m59.8と、馬場を考えればやや早めのペースで逃げたレイパパレは、直線でも後続を寄せ付けず勝利しました。
当時無敗で不気味な雰囲気だったレイパパレに逃げ切られるのは100歩譲って許したとしても、モズベッロに差される3冠馬を目の当たりにするのは酷です。
上りタイムもレイパパレ・モズベッロがトップの 36.8 。末脚が武器のコントレイルは大きくタイムでも大きく離され 37.4 と不発に終わりました。
後方からレースをすすめるコントレイルは、勝つためには致し方ないと3コーナーから早仕掛け。しかし、ゴール前では足が上がっているのが分かります。
「スタートはうるさいながらも五分に切ってくれました。前半流れていたので、思ったよりも後ろの位置になりました。今までは長い距離中心に使っていたので、前半のスピードの乗りからあの位置になりました。馬場もそんなに苦にはしていませんでした。
3コーナーぐらいから、こういう馬場の状態でしたので動いていきました。最後は脚が上がりました。思っていたより馬場の悪化が進んできましたし、ラストは苦しくなってしまいました。しっかりラストまで、グランアレグリアに関しては競り勝ってくれました。
動いていかなければいけない立場の馬ですから、こういう競馬になりました。勝ち馬は強かったですね。この馬場でも止まりませんでした」
大阪杯は避けられなかったのか?
私はこう思います。
「この大阪杯。直前で回避できなかったのか?」
「重い馬塲が合わない」「強敵がいる」などの理由で回避するケースは海外競馬では良くあります。
先日のブリーダーズカップでは、1番人気に支持されたモダンゲームズが出走時のトラブルにより回避。しかし、その判断が一転し「やっぱり出走」となり急遽馬券対象外ながらレースに出走すると1着に完勝しました。
もちろん前代未聞のレースとして現場では大ブーイングがおきました。
これは本来あるべきことではない悪しき例ですが(笑)、これくらい馬の都合で出走可否が決められれば、より競走馬人生を安全に過ごせるのではないかと思うんです。
ケガが少なく走りに専念できるのではないかと思うんです。
もしコントレイルが大阪杯を直前で回避していれば結果的に多くのレース走れた可能性が高いです。またGⅠの勝ち星が1,2個増えていたかもしれません。
それなのに大きな危険にさらし得意とは言えない悪い競馬場を走らせる利点は果たしてなんでしょうか。「観客の気持ちを考慮」してくれるのは嬉しいですが、思い返してみるとそれは馬のためになっていないと感じます。
どの過ぎる馬場の時は、得意な馬が走り、苦手な馬は回避するでも良いじゃないですか。
「お客様第一」といった日本競馬界全体の「献身的な姿勢」が災いしている気がしてなりません。
◆まとめ◆ みなさんはどう思いますか?
こんな感じで勢いよく殴り書きしてしまいました(笑)
ただあの大雨の大阪杯を回避していれば、もっと良い結果が出ていたかもと考えてしまいます。
もちろん昨日のジャパンカップで全て丸く収まった感じはありますが、コントレイルならばもっと偉大な結果を残せたものだと思ってしまいます。